医療機関のファクタリングの契約形態

一般的な株式会社などがファクタリングのしくみを利用する場合には、二社契約と三社契約とよばれるタイプの違いがあるものです。通常、ファクタリング業者にどこかの取引先業の売掛債権を譲渡することとなれば、その債権はもはや業者のものですので、決済日には取引先企業が業者に対してその債権に見合った代金を支払うというのが基本となります。しかし、取引先企業が債権譲渡の事実を知らなければ、業者がスムーズに代金を受け取ることができませんので、ファクタリングを利用する企業、取引先、業者といった、三社による契約を結ぶことになります。しかし、利用する企業のなかには、自社の資金繰りを取引先企業には知られたくないという希望をもっているところもありますので、この場合には、あくまでも利用する企業と業者との二社契約にとどめるという方法をとるわけです。

医療機関においてファクタリングを利用する場合、その対象は診療報酬債権などのいわば公金ということになりますので、取引先企業との関係などは特に考える必要がないものです。そのかわりとして、債務者である社会保険診療報酬支払基金や国民健康保険団体連合会に対して、医療機関と業者が連名で、債権譲渡の通知とよばれるものを行い、債権譲渡があったことを明らかにしておくのがふつうです。このような通知によって、社会保険診療報酬支払基金などの団体は、もとの医療機関ではなく、ファクタリング業者が債権者となったことがわかりますので、診療報酬は業者に対して支払われることになります。

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